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育志賞受賞のお知らせ

このたび、錯体化学会が推薦いたしました大阪大学大学院基礎工学研究科物
質創成専攻・後期博士課程1年次、山本 浩二君が「第2回日本学術振興会育志
賞」に選ばれました。錯体化学の若手研究者が注目度の高い育志賞に選ばれまし
たことは、錯体化学会にとって誠に喜ばしいことであります。山本 浩二君から
錯体化学会に受賞に対する礼状が届きましたので、同君の同意を得て皆様に公表
いたします。
錯体化学会会長 田中晃二

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このたび、錯体化学会の推薦により「第2回日本学術振興会育志賞」を拝受す
ることが決まりましたことを報告させていただきます。受賞研究テーマは「脱水
素を伴う革新的炭素-炭素結合形成反応の開発」です。推薦いただきました錯体
化学会会長をはじめ、会員の皆様に感謝申し上げます。
金属と配位子の多様な組み合わせによって新しい機能を開発する錯体化学研究
のなかで、金属の特性を活かした金属錯体触媒に関する研究に興味を持っていま
す。特に、前周期遷移金属であるジルコニウムやハフニウムの錯体を中心に研究
を行っています。これらの金属は、シグマ結合メタセシス反応により炭素-水素
結合活性化や水素分子の脱離反応が進行することが知られています。私はこれら
の反応を制御することで、脱水素を伴う触媒的炭素-炭素結合形成反応が可能に
なると考え、このような反応性を示す前周期遷移金属錯体の合成に取り組んでい
ます。その結果、金属としてハフニウムを用いた錯体触媒による複素芳香環化合
物と内部アルキンの脱水素カップリング反応を開発し、その成果を第60回記念錯
体化学会OSAKA国際会議において発表させていただきましたところ、多くの方々
から質問や提案を給わり、「Dalton Trans. Poster Award」の賞をいただきまし
た。これを励みとして本研究のさらなる発展・展開ができ、今回の受賞につなが
りました。あらためて厚く御礼申し上げます。
金属錯体を触媒とする反応開発において、触媒活性を示す金属錯体の分子構造
や素反応の解明など錯体化学からのアプローチは極めて重要であり、有機化学、
触媒化学など幅広い分野にわたる学際領域の研究の発展に寄与することが期待さ
れることも評価され、本受賞に至ったものと考えております。
この度の受賞を励みに一層研究を重ね、今後とも邁進していきたいと存じます
ので、ご指導・ご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

謹白

大阪大学大学院基礎工学研究科物質創成専攻
山本 浩二