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HOME > 学会誌/選書 > 錯体化学会選書1「生物無機化学」の発刊について

錯体化学会選書1「生物無機化学」が発刊されました

 錯体化学会発足と同時に錯体化学ライブラリー発刊の企画がなされ、この度ようやく待望の第一巻が三共出版より発刊されました。タイトルは、錯体化学会選書1「生物無機化学 一金属元素と生命の関わり一」としました。この著書の企画は、学会設立とほぼ同時期に、特定領域研究B「酸素活性種の分子論と反応制御」がスタートし、その領域代表をされていた福住俊一先生(大阪大学)と私とで、この班員を中心とした生物無機化学の教科書執筆の企画がなされ、それが重なったものでした。錯体化学の重要なブランチである生物無機化学研究は、これ以前にも10年にわたって文部省・文科省の重点領域研究や特定領域研究に採択され、その重要性が示されてきました。そして、我が国の大学の研究室名や授業科目名にまでその名前が設定・確立されるに至っています。これまでにもこの種の成書は幾つかありますが、殆どが欧米人によって書かれたものの訳本であり、日本人によって書かれた著書は非常に少ないというのが現状でした。このような成書が我々日本人の手によって完成したことは、我が国の生物無機化学が世界をリードしていることの証であり、その意義は極めて大であると自負しています。

 生物無機化学の本書の内容は、上記のように、重点領域研究や特定領域研究を推進した研究者が中心となって、最近の研究成果を取り込んで体系的なテキストに編纂したものであるため、基礎から最新研究まで非常に充実したものとなっていると思っています。即ち、生物無機化学を学ぶために必要な基礎的な化学として、化学結合論、化学平衡、錯体化学、生体関連有機化学、基礎生化学が盛り込まれており、生物無機化学を理解する上で、学部生や大学院生が知識の再確認をできるようになっています。また3章からは、現在一番ホットな内容を中心にテーマとして取り上げ、極力最新研究を織り込みながら説明を加えています。そのテーマとは、光合成・呼吸・電子伝達タンパク質・酸素の活性化酵素・窒素固定・イオンチャネル・加水分解酵素・生物無機化学の工業的利用等を取り上げています。

 本書は昨年5月に発刊され、なかなか好評とのことで、順調な売れ行きと聞いており、来年5月には2刷りが予定されています。現在、錯体化学会会員には、直接三共出版に頼むと、定価の2割引の特別割引をしてくれることになっておりますので、多くの方のご利用を期待してります。そして、ご意見等がありましたら、直接私どもにご連絡頂き、ご批判頂ければ、次へのステップアップにさせて頂きたいと考えております。尚、このあとに毎年一巻を目標に錯体化学会選書の発刊の企画がされていますので、ご期待下さい。

名古屋工業大学 増田秀樹

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